「RIKO−女神の永遠−」柴田よしき 著

2007年11月29日 20:42


男性優位主義の色濃く残る巨大な警察組織。その中で、女であることを主張し放埓に生きる女性刑事・村上緑子。彼女のチームは新宿のビデオ店から一本の裏ビデオを押収した。そこに映されていたのは残虐な輪姦シーン。それも、男が男の肉体をむさぼり、犯す。やがて、殺されていくビデオの被害者たち。緑子は事件を追い、戦いつづける、たった一つの真実、女の永遠を求めて―。性愛小説や恋愛小説としても絶賛を浴びた衝撃の新警察小説。第十五回横溝正史賞受賞作。



読み終わって、テンポよく面白かったのですが、なんか違和感ってゆーか色々ともやもやしたものをかなり感じました。
主人公の女刑事緑子とその恋人である麻里はともに性に対して奔放でかつバイセクシャルという設定なのですが…要するに〜、
いちいち父親とうまくいかなかったり、男に捨てられたり、上司や同僚にレイプされたりさんざんセクハラされたり不幸のてんこ盛りを経験して男に絶望しないと女同士で愛し合えないなんて、生まれつきのレズビアンの人に失礼やろ〜!!!!
ってコトですね。この手のテーマを多く書かれている森奈津子先生が「耽美なわしら」という本でそう仰っています。
「レズであることに言い訳じみた理由が必要かい!!」とも。…確かにその通りです。

そもそも、性的に奔放ってことを表現するために主人公をバイセクシャルにする必然性がストーリー的にまったくないような。結局、緑子にしろ麻里にしろ紆余曲折はあるにしろ最初から最後まで一人の男をずっと愛しているのに、物語クライマックスで突然緑子が「麻里、愛してる!!」とか叫び始めて正直?????でしたよ。
フツーに親友という設定のほうが、「男に対する断ち切れぬ愛憎と復讐劇」がメインテーマで話的にしっくりきたような気がします。

事件の謎解きも動機や方法が中途半端にしか説明ないよーな…横溝正史賞の応募規定の枚数制限のせいと解説の方はフォローしています。


でも、まぁ著者の記念すべき第1作ってことで、いろいろと書きたいことを詰め込みすぎて消化しきれてないのかな?
このシリーズ続編の「聖母の深き淵」と「月神の浅き夢」は確実に面白かったです。番外編の「聖なる黒夜」は最高傑作だしね。
ストーリー的に続編に関係してくるので、すべてのはじまりという意味でファンならフォローしておくべきかと・・・。



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